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保可南

 

 

島崎あゆみ 役

 

保 可南

 

 

 

 

 

──‘島崎あゆみ’はどんな事を考えながらどんな

 

風に生活をしていたのだろう、と沢山想像しながら

 

この作品と役に取り組みました ─────

─── 「友情」2017年公演を終えての感想を聞かせて下さい。

 

 

 

終わったんだぁ…!と実感したのは、公演が終わった次の日の朝、目覚めた時でした。

 

 

8月1日の稽古開始から毎日、この『友情』という作品にどっぷり浸かっていたので、目

 

が覚めた時に現実に戻ってきたという感覚で、あぁ終わったんだなぁと感じました。寂

 

しい気持ちもあったけど、怪我や事故もなく無事に千秋楽までやり終えて、ホッとする

 

気持ちの方が大きかったかもしれません。

 

 

 

舞台を観にきて下さったお客様、何があっても手を離さずに導いて下さった田中先生、

 

安部先生、共演者の皆さま、この舞台に関わった全ての皆さまへ、感謝の気持ちでいっ

 

ぱいです。

 

 

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

─── ‘島崎あゆみ’ を演じてみていかがでしたか?

 

 

 

島崎あゆみの尊敬するところは、自分の『病気』と『死』と『命』と向き合いながらも

 

最期まで明るく一生懸命に生きたところ。

 

 

何故私なの?と誰もいないところではたくさん泣いたと思います…。もしかしたら本心

 

では、もうダメかもと絶望する時もあったと思います。でも周りの人の優しさに答える

 

為にも、明るく振る舞うことが出来る、優しいそして芯のある女の子なのだろうと思い

 

ます。

 

 

 

 

“島崎あゆみ”はどんな事を考えながらどんな風に生活していたのだろうと沢山想像しな

 

がら、この作品と役に取り組みました。

 

 

 

 

お父さんお母さん役の先輩方や先生やクラスメイト、信一役を演じた大木君、現場にい

 

る皆が"島崎あゆみ"として接してくれたので、最後まで島崎あゆみでいさせてもらえ

 

た、そんな風に感じます。

 

 

 

 

 

 

 

─── 二人の野本先生役、渡辺裕之さんと大沢逸美さん、そして2年1組のクラスメイトへのメッセージをお願いします。

 

 

 

逸美先生はいつも同じ目線で、生徒達の目線でものを考えてくれる先生でした。

 

涙脆くて、情に厚くて、あゆみの病とも本人以上に必死で闘って向き合ってくれる、そ

 

んな先生でした。だからこそ、星空のシーンで一緒に星を見上げるときは「本当に同じ

 

星を見ている、一人じゃない」という深い安心感がありました。

 

 

 

 

裕之先生、私はお稽古中に嬉しくて野本先生の胸に飛び込むというシーンで、勢いあま

 

って先生の顔に頭から突っ込むという事故をおこしました!!

 

あの時は本当にすみませんでした。

 

裕之先生は稽古中や舞台上など、どんな事が起こっても全て受け止めてくれる、とても

 

大きい存在でした。あゆみが野本先生に「奇跡を信じますか?」と質問する時、「先生

 

が信じるなら私も信じられる!」と全信頼を寄せた様に、手放しで信頼できるカッコイ

 

イ先生でした。

 

 

 

渡辺裕之先生と大沢逸美先生の生徒で幸せでした。ありがとうございました。

 

 

 

 

そして2年1組のみんな。

 

一番嬉しかったのはみんなに出会えた事です。ばらばらの、個性の強い、面白い仲間達

 

です。

 

8月1日から一緒にいろんな事を経験して、刺激し合いながら成長した、本当のクラスメ

 

イトみたいです。一生付き合っていきたいなぁ。心からそう思います。

 

 

 

─── これから「友情」生徒役にチャレンジしてみたい!という方に向けて、先輩としてメッセージを!

 

 

 

 

坊主にしたら頭と首がスースーして風邪をひきやすくなりました。

 

 

お風呂はとっても楽ちんです♪

 

 

今まで見えなかったもの知らなかった世界に出会えるかもしれません。

 

 

大変な事も沢山あったけど、挑戦することで得られたものは想像していた以上に大きか

 

った!と思います。

 

 

 

 

病気の事だけでなく、人種の問題、いじめや虐待など、この『友情』という作品には沢

 

山のメッセージが詰まっています。今の時代だからこそ、沢山の方にこの作品を伝えた

 

いと私は思います。

 

 

 

 

─── 最後に皆様にメッセージをお願い致します!

 

 

 

18年前の初演から"今"に『友情』を繋げた、この作品に関わった沢山の方々、そしてお

 

客様に感謝の気持ちを伝えたいです。

 

 

この作品に出会い、白血病や骨髄バンクについて知らなかった事、ドナーについての厳

 

しい現状などを知る事が出来、本当に良かったと思っています。

 

 

舞台は終わったけど、現実は続いていて、今もドナーを待っている人が沢山いる。

 

 

 

14歳のあゆみは流れ星に「生きたい」と願います。どうか少しでも多くの人に、この病

 

気や骨髄バンクのことを知って理解してもらいたい。そして1人でも多くの「あゆみの

 

願い」が叶えられますように。強く思います。